たまに聞く歯のエナメル質ってどういうもの?

「歯」という言葉とよくセットで覚えられているものとして「エナメル質」というものがあります。
ですがその性質についてはあまり知られていないことが多いのではないでしょうか。

そもそも歯というものは主に4つの層によって構成されていて、外側から数えて2層目にある比較的黄色っぽい色をしているものを「象牙質」といいます。
その象牙質の外側を覆う形で表面を造っているのがエナメル質です。
エナメル質自体は無色透明から灰色に近い色をしているため、歯をよく見ると黄色のような色をしているのは内側にある象牙質の影響が強いためです。

エナメル質というものは人体の中でも最も硬い部位であり、構成している物質はほとんどが無色透明に近い無機物です。
その他わずか数%として水分やたんぱく質が混ざっています。
拡大して見てみるとエナメル小柱という細長い形をした組織が象牙質に対して垂直に並ぶ形をしていて、場所によっては平行になっていたりと非常に複雑な層が重なりあってできています。

硬さを表す指標の一つにモース硬度というものがあり、チョークくらいの硬さを1、ダイヤモンド程度の硬さを10としています。
鉄はこの段階においては下から4番目に当たりますが、エナメル質はそれよりも遥かに高く水晶と同じ硬さの7を示しています。
その分ガラスのように壊れやすいという側面も併せ持つため、象牙質に支えられることによって多くのものを消化しやすいために噛み砕く役割を持つ歯が出来上がっています。

歯を構成するエナメル質に対して起こる反応として代表的なものは「脱灰」と「再石灰化」のふたつです。
脱灰とは口内に存在する菌が生み出した酸によって起こる破壊であり、一般的な虫歯がこれに当たります。
菌は糖をエネルギー源として酸を生み出すため、歯の大敵が甘いものとされているのはこのためです。

口内には脱灰によって破壊されたエナメル質を再生させる機能が備わっていて、主に唾液内に含まれるアルカリ性の成分によって再構成されていきます。
これを再石灰化と言い、初期の軽い虫歯程度のダメージであればこの機能によって治ってしまうことがあります。

またエナメル質は永久歯と乳歯では性質が少し異なり、永久歯よりも多くの水分を含んでいる乳歯は柔らかく虫歯になり易いものです。
そのため乳歯の頃からのフッ素コーティングが様々な場所でおこなわれていて、乳歯は脆い代わりにフッ素などによる強化の影響を受けやすいという性質を持っています。